株式会社タケナカ様は大正15年の創業以来、長らく映像の世界に携わってきた企業です。タケナカ様ではこのほど、「映像を新たな演出領域にまで高める」との目標のもと、「Live Technical(ライブテクニカル)」という新プロジェクトをスタートさせました。
Live Technicalは、2009年末に開催された、大阪エリアでは最大規模となるライブイベント『THE STAR FESTIVAL 2009 FINAL』において、総合演出を担当。そのライブイベントの要となる“高画質な映像”を“スムーズに送出する”ために、デジタル・ディスクレコーダー「T2」が採用されました。T2は、Live Technicalの考える新しい舞台演出の中核システムとして、最大限に活用されたのです。
アーティストやクリエイターのクリエイティビティと先進のテクノロジーとを“人の力”で有機的かつ効果的に結びつけ、新しい舞台演出を創造していこうというタケナカ様の新プロジェクト。
https://www.livetechnical.net/
2009年12月30日に開催された西日本最大級のダンスミュージックフェスティバル。動員数は約3000人。Live Technicalが担当した、HD映像を駆使した新時代感覚の空間演出は、業界内外から絶賛された。
●イベントの映像1 YouTube
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御社のプロフィールをお教えください
代表取締役社長
武仲秀晃様
弊社は大正15(1926)年に、35mm映写機の設計、製造・販売メーカーとして事業を始めました。現在は、映像・音響機器のレンタル、イベントの企画・制作、映像・WEBコンテンツ制作、ICTサービス/システム開発など、映像全般に関わる業務を手掛けています。大阪を中心に東京、名古屋、京都、それと上海に事業拠点を設けており、従業員は約75名です。
2009年末の『THE STAR FESTIVAL 2009 FINAL』というイベントへ参画されたそうですが、
どのような形で関わられたのですか?
弊社には、「新しい舞台演出の実現」を目的とする「Live Technical」というプロジェクトがあります。『THE STAR FESTIVAL 2009 FINAL』には、Live Technicalとして事前の映像作成に始まり、機材の選定、当日の機材設置・操作、VJ(Video Jockey)による映像送出など、演出面全般を担当しました。特に、イベント当日の演出の核となるVJのパフォーマンスは、HDによる臨場感あふれる映像がスムーズに再生され、また、瞬時に別の映像に切り替わるなど、今までにないハイクオリティな演出にお客様はびっくりされたと思いますよ。
「Live Technical」について、詳しく教えてください。
私どもは映像や音響の機材、ハードウェアを扱う企業ですが、機材を扱うには操作する人間が必要です。その一方で、空間を演出していくには、映像をクリエイトするクリエイターの力も欠かせません。つまり、“人”という要素が非常に重要なのです。アーティストやクリエイターの創造力と先進のテクノロジーとを“人の力”で有機的かつ効果的に結びつけ、新しい舞台演出を創造していこうという目的で設立したのが、Live Technicalなのです。
実際にイベントでT2をお使いになってみて、いかがでしたか?
製品化される前のプロトタイプの段階から注目していたのですが、私ども現場の希望や意見を製品開発に積極的に反映されていましたので、「これは使える機材になるな」と感じていました。実際にイベントでは、映像演出の中核機材として、使いやすい操作性、Canopus HQ Codecによる高画質、2チャンネル同時再生、他機材とのスムーズな連携と、どれをとっても満足のいく機材でした。おかげさまでイベントも成功し、お客様からも、業界関係者の方々からも、賛辞を頂戴しています。
御社の今後の目標を教えてください。
今回の『THE STAR FESTIVAL 2009 FINAL』で、谷田様はVJ(Video Jockey)をされたそうですが
まずはVJの仕事について教えていただけますか?
クリエイティブディレクター
谷田光晴様
音楽イベントでレコードを廻して曲をスムーズに繋いでいくDJ(Disc Jockey)に対して、VJは、映像を音楽に合わせて繋いでいって、お客様に感動を呼び起こすというのが仕事です。
T2導入の目的は何だったのでしょうか?
今回のイベントに弊社のLive Technicalが関わることになったとき、「何か新しい価値を出したい」と考ました。そこで、ハイビジョン映像を使ってVJにトライすることにしました。T2では、2つの映像ソースを簡単に切り替えたり出したりが自在に行えますので、イベントで利用するには最適だと思いました。
実際に使ってみてのT2のご感想はいかがですか?
2チャンネル同時送出機能は大きなメリットでした。2つの映像を1つのインターフェースの中で選択できますのでVJのオペレーションに限りなく向いていましたし、操作性も良好でした。また、T2にHD-SDI出力が標準で備わっていたことも大きかったです。主要な周辺機器をHD-SDIで統一することで信号関係の接続トラブルは全くありませんでした。加えて筐体自体が小さいT2はVJのブースをコンパクトにまとめることもできました。
そのほかに、メリットと感じられたところはありますか?
事前の準備になりますが、映像の取り込み作業が非常にスムーズに行えましたね。映像素材は、EDIUSをはじめとして様々なシステムで作られているのですが、どのシステムで作った映像でも全く問題なく取り込むことができました。Canopus HQ Codecを採用しているところが非常に大きいと思います。以前であればHDを扱うときには特殊なコンバーターが必要でしたが、T2では映像信号をCanopus HQ Codecへの変換機能が内蔵されていますのでワークフローが簡略化されました。
お客様や業界からの反応はいかがでしたか?
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お客様の感動は大きかったと思います。今回のイベントでは会場内にライブカメラを持ち込んで、その映像をモニターに映し出したりもしたのですが、その映像も非常にスムーズに送出できましたし、なんと言ってもHDですから、SDとは臨場感が違います。モニターのリアルな映像をケータイのカメラなどで撮影されている人も大勢いらっしゃいました。一方、クリエイターの反応も大きかったです。「自分たちもHDでやってみたい」「相談に乗って欲しい」といった声が増えました。T2を使ってみたことで、Live Technicalが考える新しい価値の創造について、大きくアピールできたと思います。
この先、Live Technicalはどのように展開されていくのでしょうか?
世の中には、素晴らしい技術やセンスを持ったクリエイターたちがたくさんいます。しかし、クリエイターたちのアイデアに対し、技術面が制約をかけてはなりません。クリエイターは、映像送出の知識や技術面に関してはテクニカルの人間ほど詳しくありませんから 。このような問題点を“人の力”によってクリアしていくのがLive Technicalです。具体的には、Live Technicalがハブ的な役割となって、テクニカルの人間がクリエイティブの人間に歩み寄り、より完成度の高い現場が演出できるようになると思っています。Live Technicalとしては、ぜひともそこにチャレンジをして、新しい価値を生み出していきたいですね。
T2を使ってのライブ演出などで、新しいアイディアなどはありますか?
T2は2チャンネル同時出力ができますので、3Dコンテンツをイベントの世界に持ち込んで、効果的に演出していくといったことは当然考えていますね。あとは、複数台のT2を使って同期再生させるなどといったところにも、かなり期待しています。
競合製品も多いなか、T2に決められた理由は何だったのでしょうか?
まずは、使いやすさです。従来のデッキやHDレコーダーに比べ、T2は圧倒的に使いやすいのです。「誰もが簡単に使える」というT2の設計コンセプトは確かな形になっていますね。次に、画質です。他社製品と比べても、Canopus HQ Codecによる画質には十分なクオリティがあり全く問題ありませんでした。
技術的な立場から見て特に評価される部分はどこでしょうか?
マルチフォーマットと言ってもよいほどの入力環境が備えられている点を高く評価しています。業務用デッキの場合にはそれなりに制限が多いのですが、T2にはアナログのコンポーネントをはじめ、多様な入力環境が用意されています。また、スイッチャーなどの他機材との連携も重要でしたが、全くのトラブル知らずでスムーズに連携できました。
『THE STAR FESTIVAL 2009 FINAL』で実際にT2を使われてみて、改めて評価できる部分
などはありましたか?
T2導入の最大のメリットは、従来のSD用機材での運用方法を大きく変えることなく、HD映像を利用した新しい運用がスムーズに出来たところです。業務用機材は使う人間が限定されるため操作性に難がある製品が多いのですが、T2はマニュアル要らずで、触っていたら使えるようになったというくらいに操作が分かりやすかったです。現場のオペレーターが戸惑ったり、ストレスを感じたりすることは全くありませんでした。
グラスバレーというメーカーに対するイメージは、どのようなものでしょうか?
グラスバレーの開発陣は、私たち現場の意見に耳を傾けてくれます。現場の声がメーカーにとって重要な素材であることを理解し、開発にフィードバックする前向きな姿勢を感じました。その想いや熱意がT2の開発にも反映され私たちが望んだ形で製品化されたわけです。グラスバレーあってのT2なのだな、と思いますね。
T2はイベント業界に普及していきますでしょうか?
イベント業界にはまだ、「HDは敷居が高い」という認識が残っています。ハードウェアは高価で、かつ、操作は難解と思われています。ところがT2は、「HDの敷居は高くないですよ」「HDは誰でも使えますよ」と、製品自体が雄弁に物語っているわけです。T2の登場により、HD映像のイベントは確実に増えると思いますね。T2がイベント業界に与える影響は大きいですよ。
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株式会社タケナカ
http://www.takenaka-co.co.jp/
1926年(大正15年)の創業以来、一貫して映像関連サービスを展開してきた老舗企業。現在は、大阪を本拠に、東京、名古屋、京都、そして上海にも拠点を持ち、映像・音響機器のレンタル、イベントの企画・制作、映像・WEBコンテンツ制作、ICTサービス /システム開発など、幅広い業務を手掛けています。